ガラクタハッピー

雑記
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今日は朝から、雲一つない、いい天気。
昨日から風もあまり吹いていなかったので、普段境内に散らばっている落ち葉も少なく、日課の朝のお掃除は、いつもよりうんと早く終わりました。

そういう日は、たいていお昼ごはんまでの時間をゆっくりと長めに過ごすのですが、今日は霊夢さんのやる気スイッチが入っていたみたいで、普段はあまりしない、納屋の整理もする事になりました。

神社の納屋は10畳ぐらいの土間敷きの作りで、霊夢さんが巫女を務めるずっと前からあるとても古い納屋なので、あうんも霊夢さんも、中身を全て把握できているわけではありません。

もっとも、半分より奥の方はしまうというより、ただ放り込んだだけ、というような感じで物が積まれ、そこに分厚いホコリが積もっているものだから、まるで1つの山のようになっている有様なので、そもそも把握のしようがない状態なんですけどね。

今現在霊夢さんが使っているあたりは、棚で整理されて小ぎれいなんですが、しまったはいいけど長いこと使ってない。もう使わない。という物もちらほら混ざっているそうなので、今日はそういった物を片付けようと言うことになりました。

いる。いる。いらない。いる。いる。いる。

霊夢さんがいるかいらないかを判断して、いらない物はあうんが受け取って外へ運びます。

いる。いらない。いらない。いらない。いらない。

初めはじっくりと吟味して判断していた霊夢さんでしたが、だんだんブリがついたのか、ほとんどの物をいらないと言って、あうんに手渡します。

あうんは言われるがまま、次々に渡される物を、どんどん外へ放り捨てていきます。
それは何だかバケツリレーをしているみたいで、あうんはだんだん楽しくなってきました。

でもいいんでしょうか。さっき投げたのは、子供の頃に霊夢さんが魔理沙さんから無理やり借りた、魔理沙さんが大切にしていたきれいなガラスの小ビンだった気がするんですが……

まぁ細い事は置いといて、そうやって楽しく整理していくと、棚はあっという間に見事にスカスカになって、見違えるようにスッキリとしました。

でも霊夢さんは、せっかく綺麗になった棚には目もくれず、視線は奥のホコリの山に一直線。

霊夢さんは一瞬こちらに振り向き、目で言わんとする事を訴えかけ、あうんも視線で返事を返します。

これが阿吽の呼吸です。

霊夢さんはそのまま納屋の奥へ進み、ホコリの山を成しているうちの一つをむんずと掴んで、入口付近で待っているあうんの方へと投げ飛ばしました。
あうんはそれをキャッチして、さっきと同じように外へと放り投げます。

二人とも、棚があんまりあっけなく片付いたものだから、物足りなく感じていたんですよね。

いらない! いらない! いらない! いらない! いらない!

やる気スイッチと、いらないスイッチの両方が入った霊夢さんは、もう誰にも止めることはできません。

舞い上がるホコリが目にしみようが、むせようが、怯む事なくどんと山を崩して行きます。

そうしているうちに、舞い上がったホコリはだんだんと空高くへと昇って、一本の大きな柱を作りました。

雲一つない空にそんなものが現れたものだから、よほど目立ったのでしょう。
気がつけば、納屋の外にはいつもの顔馴染みを中心に、大勢の人だかりができていました。

それでも霊夢さんはお構いなし。
どんどん山を崩しては、あうんがそれを外に投げます。

お構いなしなのは集まった人たちも同じで、放り投げた物を漁っては、珍しい物を勝手に自分の物にしたり、取り合って喧嘩したりしています。

しまいには弾幕ごっこまで始まり、納屋を中心に、物と、ホコリと、弾幕と、怒号が縦横無尽に飛び交うお祭り状態になってしまいました。

さすがにそうまでなると霊夢さんもうるさく感じたのか、外へ出てみんなを一括。
言う事を聞かない人は弾幕でこてんぱんにのしてしまいました。

騒ぎが収まって、霊夢さんは少し悪い笑みを浮かべてから、みんなに片付けを手伝えば欲しいものを持って帰っていいと伝えました。

すると霊夢さんのもくろみ通り、そこにいた大勢が一丸となって、ものすごい勢いで納屋を片付け始めます。

霊夢さんもあうんも、ただ見てるだけ。

何ということでしょう。納屋はあっという間に、ガラクタもほこりも、クモの巣一つも無い、明るく開放感のある、ピカピカの状態に生まれ変わりました。

おまけに、運び出したガラクタは一つ残らずみんなが持ち帰ってくれたので、霊夢さんもあうんもダブルで大助かり。みんなも珍しい物を手に入れて大喜び。

今日は、みんながハッピーになる、素敵な日になりました!

あ、魔理沙さんはやっぱりちょっと泣いてましたけどね。

今日はここまで!
それではまたお会いしましょう。
あうーん!

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